新井直樹 昭和43年度卒

 

 

池新田高等学校、創立100周年おめでとうございます。

私は現在、声楽家として年数回のコンサートで演奏しながら後進の指導に情熱を注いでおります。

池高在学三年間で素晴らしい仲間と出会い、何より私をサポートして下さった校長先生はじめ、多くの先生方に感謝を申し上げます。

当時、音楽大学受験は雲をつかむような環境でしたが、私自身も現実を理解できないまま、月1~2度東京へレッスンに通いました。先生のお宅まで片道6時間を要しました。ある日の事、レッスン室から朗々と響く素晴らしいバリトンが聞こえ、プロの方の美声に感動しながらご紹介を受けましたところ、来年私の目指す大学の同じ受験生でした。

私は坊主頭で学生服、かたや立派なスーツを着こなした紳士。残念ながら同じ受験生ですと自己紹介ができない自分がおりました。肩を落とし池新田までの時間がいかに長かった事かと。本当に挑戦している受験がいかに愚かに思えたか。昨日のごとく思い出されます。

でも諦めませんでした。楽しい仲間と先生方の励ましの言葉にホッとし、ひたすら前を向きました。

後に60人合格のうち10人が現役、後は大学生、浪人生、社会人の方々でした。因みに私がショックを受けたバリトンは日大2年生で3度目のトライでした(笑)

私が今なお声楽家として人生を過ごさせて頂く事は、ひとえに池新田高等学校は無事卒業させて頂けました事から始まったのです。どんな事でも夢を見つけ諦めず自分を信じて行きましょう。

 

声楽家